ピストルとアメリカと夜

さて、あたしは今日も当たり前にあたし。
ピストルズ』もようやく残すところ200ページ弱って感じだから、ゴールデンウィークに入る前には読み終わるかも、しれないし、終わらないかも、しれない。そんなことはあたしにはわからないし、別に知りたいとも思わないし、だって終わろうと終わらなかろうとそれは確かにそこにある(らしく)見えるのだから、それでいいじゃないの。
あたしが19歳に見えたり24歳に見えたりしたとしても、それは単なる「あたし」であって、当たり前のようにその「あたし」は複製される。「あたし」は「あたしたち」になる。

大切なのはその物語が「あたしたち」になるところで始まるのか、それとも終わるのか、ということだ。

ぼくはスクリーンの中の少女と、隣ですやすやと小さな寝息を立て眠っている少女とを見比べ、ぼくたちの「これまで」とそして「これから」を語ることをようやく決意する。
スクリーンの中の少女はフィルムが荒れてしまって、もうそれが少女であるとはっきりと判別することはできなかったし、寝息を立てているこの少女は5年前に声を失ってしまった。

そこであたしは目覚める。お昼寝から目覚めて、そして街へと繰り出す。

今日はブック・オフで
・青空感傷ツアー(柴崎友香)
・ショートカット(柴崎友香)
野ブタ。をプロデュース(白岩玄)
・麦ふみクーツェ(いしいしんじ)
を買った。全部105円だった。ほんとは実は読んでない阿部和重の『シンセミア』とか『グランドフィナーレ』とか買いたかったんだけど、なかったんだから仕方ない。し、ゴールデンウィークまでに『ピストルズ』が読み終わるなんて誰にもわからないんだから、あたしは当面『ピストルズ』を左手に『アメリカの夜』を右手に世界と戦っていかなきゃいけない。

あたしは声を失った代わりに、ピストルとアメリカと夜を手に入れたんだ。



④『第9地区』(ニール・ブロムカンプ)☆☆☆☆☆☆